とあるゴリラの備忘録

某大学18卒でコンサル就職予定のゴリラが色々と書き綴っていきます。お手柔らかにお願いします。

【書評】『お金2.0』がこれからの時代の儲け方を教えてくれた

今回は、佐藤航陽さんの「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」の書評です。ビジネス界で著名な方々がオススメしていたので、読んでみました。

 

概要

 

本書は、お金・経済をテーマに、今後どのような変化が起き、どのような生き方になっていくのか筆者の考えがまとめられた本です。

特に印象深かったメッセージが、今後、「価値」を媒介にした複数の経済圏が生まれるというメッセージです。

 

今まで資本主義というお金に支えられた経済で私たちは生活してきました。その中でお金は、「価値を媒介する唯一の手段」として扱われていました。つまり、お金で表せないものは無価値と扱われます。

しかし近年、お金の相対的価値の減少等から、その根源にある「価値」そのものを中心にする世界になると言っています。そこでは、お金に代表される「有用性としての価値」だけでなく、感情などにポジティブな影響を及ぼす「内面的な価値」や、「社会的な価値」も重視されます。そして、それらの価値は近年、フォロワー数や、いいね等いろいろな方法で可視化することができるようになり、それら価値を軸にした独自の経済を作ることができるようになってきました。

こうした根源的な「価値」というものを媒介に、多くの経済を作ることができる「経済の民主化」が起き、相互に取引などが行われるようになる、と筆者は主張しています。筆者は、それを「価値主義」と表しています。そのような社会では、一つの経済圏で失敗しても、他の経済圏で生きていくことができるため、安心感を持ってリスクを冒しやすくなります。そして、個人の価値を高めることで、どうにでもなる世界になりつつあると筆者は主張しています。

さらに、技術的な面でも経済システムを作ることが可能になりました。それが、自律分散型という考えです。データが溢れた世の中で、ディープラーニングによるAIの発展が、自動化・自律化を促し、ネットにより個人がつながりあい管理することで、中央の管理者が必要なくなる分散化が可能になりました。筆者は今後、この自律分散型の仕組みが普及していくと主張しています。

 

感想

 

今後経済やお金がどうなっていくのか、という筆者の予想が、説得力を持って描かれていて非常に面白かったです。この「説得力」の源泉は、筆者の実験・考察結果を基に主張が構成されているからだと思われます。本書を通じて、筆者はビジネスの場で実験をするなど、自分の好奇心を基にビジネスをしている印象を受け、起業家であり学者のような印象を受けました。それゆえ、机上の空論で終わる話ではなく、とても実用的な内容になっていたと思います。

概要に書いていませんが他にも色々と学ぶことが多くあり、読んで損はないと思います。特に、「これからの時代の儲け方を知りたい」という人には必読の一冊だと思います。

 

以上