とあるゴリラの備忘録

某大学18卒でコンサル就職予定のゴリラが色々と書き綴っていきます。お手柔らかにお願いします。

【書評】『日本再興戦略』は、これからの日本の指南書

 今回は、落合陽一さんの新作、『日本再興戦略』についての書評です。前作の『超AI時代の生存戦略』から気になっていた落合さんの新作だったので、発売後速攻購入して読んでみました。

 

uhouho-golira.hatenablog.jp

 

 

 

概要

 

全体としては、

これまで、欧米に習い発展してきた日本ですが、成長が止まっていき、時代が変化していく中で、これまで通りではうまくいきません。日本を再興するため、①欧米と日本について見直していき、日本に何が向いているのか見極める、②テクノロジーが今後どのように世界を変えるのか把握する、③これらを考慮した上で、これまでの考えをアップデートし、日本を再興する戦略を考える

といった流れで筆者の考えがまとめられています。

特に印象深かった点をまとめてみたいと思います。

 

西洋=個人、二分法的な考え

 

そもそも、筆者は欧米という考えを否定しているため(欧州と米国を分けて使うべきだと主張)、西洋と表しますが、西洋は近代、「個人」という考えが生まれます。そして、個人と個人以外で分けるような二分法的な考えが主流になりました。しかし、東洋思想では、二分法的な考え方はなく、むしろ調和を大事にする考え方だったので、西洋との相性が悪いことは言わずもがなだと思います。そして、あまり理解もせず日本に輸入し、無理に「個人」を目指すようになった日本は、自ら依存を切り離してしまったのです。

 

日本にはコミュニティの考えが必要

 

それでは、どうすべきなのかというと、日本はコミュニティ(集団)を意識するべきだと主張しています。日本は、中央集権型よりも、地方自治体にある程度権限を持たせ、多くの自治体(コミュニティ)を存在させた方が向いているのです。これは、歴史的にも、非中央集権で地方自治中心であった徳川時代が300年もの間続いたことからも分かると思います。

 

ブロックチェーン技術が肝になってくる

 

このように見ていくと、今流行の仮想通貨などに用いられるブロックチェーン技術は日本に相性がいいことがわかります。仮想通貨やポイントカードなどのトークンが広がっていくトークンエコノミーが生まれることで、ICO等により、自治体でも容易に財源が調達できるようになります。それゆえ、中央集権から脱することができると筆者は考えています。さらに、シリコンバレー発の企業(アップルやAmazon等)が日本のプラットフォームになっており、搾取されている現状を、トークンエコノミーによってローカルな経済圏がうまれることで、ひっくり返すことができると考えています。要するに、ブロックチェーンによって政府の管理が必要なくなるように、ローカルな経済圏ができると、これまでのシリコンバレーのプラットフォームが必要なくなるのです。

 

 

感想

 ここでは落合さんの考える日本再興戦略の一部しか紹介しませんでしたが、他にも色々な考えがまとめられています。

所々、信憑性が疑わしい所もありますが、優秀な人がどんなことを考えているのか、思考プロセスに触れる機会としては良書だと思います。

また、落合さんの幅広い教養に驚かされました。幅広い教養を持つことで、色々な方向からロジックを組み立て、自分の主張に説得力を持たせることができることを感じ、そういったところに落合さんに魅力を感じるのだと思いました。



以上